まあ・・・
先に正直に言っておきますと、「大本営発表」です・・・
残念ながら「共通テストにでるよ!」とは言っておらず、通常授業で話しただけなので・・・
第5問の問6
今年度2021年1月16日実施の共通テスト世界史B、第5問の問6
リード文は「19世紀の朝鮮で〔中略〕干支を用いた呼び方をするのも〔略〕」
問題は「次の文のうち年代の古い順に列挙されている組合せを選べ」
う 壬午の年に、軍隊による反乱が起こった。
え 甲申の年に、急進改革派がクーデターを起こした。
お 甲午の年に、東学による農民戦争が起こった。
もちろん
壬午軍乱・甲申事変・甲午農民戦争と世界史Bでは習いますし、順番も何のことはないこのまんまです。干支については昔説明したものがありますので、そちらを参照してください。
教えていて「同じ干支が含まれるので、干支の説明がしやすいな」と思うところです、ここ。
思考力を問う?
ただ、この出題形式では「壬午軍乱・甲申事変・甲午農民戦争」と順番だけ覚えていれば解答可能です。
あれだけ「思考力を問う」などと言っていたわりにセンター試験と平均点が何ら変わらない、もしくは上がったのは実質的に何も変わっていないからです。
国公立二次・私大入試形式とそっくりですし。
考えさせる授業
仮に会話文の中で「十干」と「十二支」について説明し「壬午軍乱・甲申事変・甲午農民戦争」の「起こった年」の組合せを選択肢で選ぶならば推論も必要かも知れません。
私が表の中で挙げているやつです、甲と甲ならば10年もしくは10の倍数年差、午と午なら12年もしくは12の倍数年差と推測できる。ただ、これも年号丸暗記でもいけますけどね。
今、教育現場では「考えさせる授業」などとよく言いますが、共通テストの「考えさせる」はこの程度です。ただ作問者の方々は様々な制約の中、非常に苦労なさっただろうと思います。
「考えさせることは本当に可能か」はさておくとします。
ただ本来的には考えるにも「材料」が必要であり、干支について国語・社会どこかでも習っていれば推論させることも出来るはずです。ただ恐らくは大方の世界史B授業では干支について、ほとんど説明してはいないでしょう。ここの部分も単に「事件の名前」で、列挙して終わっているはずです。
既存のカリキュラム内容の説明すら満足にできていないのに「考えさせること」ができるか。
型も足運びの基礎も不十分で単に竹刀で叩き合うのは剣道ではなくってチャンバラ、それと同じように思えます。
ゆとりの再来、10年後「考えさせるは過ちだった、やはり基礎的な知識を」とまた言い出さないように切に願います。取り返しがつかないので。