この制度、どうなの
ふるさと納税、「市府民税の2割程度の額を任意の自治体に寄附すれば実質2000円の負担で、その自治体からお礼の品が貰える上に、来年払う市府民税から寄付額が控除される」
この制度に良いイメージを持っていたと言えばウソになります。
私が住む大阪府ペンギン村の隣の自治体では「寄附額半額分の格安航空ピーチポイント」をお礼にしています。現金にも等しいポイントをお礼にする、半額返金とほぼ同じです。その上、ピーチ本社はその自治体にはありません。これでは他の自治体から半額分を分捕るだけの意味しかありませんし、日本全体から考えれば納税額は減少してしまう事になります。実はこれに強い反感を感じていました。
確かに反感は持ってはいたのですが「もらえる」などと聞くと、貧乏人ですから気になってしまいます。なのでちょっとだけ調べて見ることにしました。
地元産業育成
調べて思ったことは「ふるさと納税制度を利用して地元産業の活性化に繋げたい、と考える自治体が多いようだ」と言う事です。
現在、日本人口1億数千万の内、東京には1割強約1300万人が居住しています。首都圏で考えれば比率は更に高くなるでしょう。この人口集中は地方の衰退を招くのみならず、勝手な私見ですが「みんなが右向けば私も右」「マツコが当たれば全チャンネルマツコ」のような悪しき日本的大衆社会の根本原因では無いかと常々疑っています。
その意味で言えばふるさと納税は悪くない制度です。都市部の市府民税を地方にまわすことによって、地方の才覚次第では産業の活性化が期待でき、働き口を創生することも可能では無いでしょうか。補助金なんかをただばらまくよりはよっぽど良い制度だと思えてきました。
ここで我ながら呆れますが今までの態度を一変、正々堂々ふるさと納税をして地方活性化に貢献し、お礼を貰ってしまうことにしました。何事も理屈が先に立つのは悪い癖なのですが治りません…
多少の不安
よし納税して貰ってしまおう、とは決めましたが「半額返金」にはまだまだ違和感があります。そこで「農水畜産物」などの地元産品をお礼に用意している自治体を選ぶ事にしました。家庭の事情で最初は「お米」にします。
納税するに当たって、多少の不安が無いわけではありません。お礼として送られてくる物の品質は「非常に高い確率で良い」と推測できます。なぜならば送られてくる物は、才覚ある自治体の物ならば「地方の売り込み・産品の売り込み」をある程度期待して送り込んで来る、極めて強力な威力偵察部隊です。美味しければ自費でも購入しようと思う納税者も居るかも知れず、悪ければその自治体のものは今後二度と買うまいと思うはずです。その意味では品質が悪かろうはずが無く、値段的にも寄付額に相応な物〔概ね寄付額の50%程度が一般的の様です〕であるはずです。
問題は物では無くて、手続きです。あまり面倒な手続きも嫌なので、ふるさとチョイスを使ってみる事にしました。他にもふるさと納税できるサイトはあるのですが、Yahoo!公金支払いと提携しカード払いが出来ること、支払いの際にTポイントも貯まる事、サイトに載っている自治体の数が多い事がふるさとチョイスを選んだ理由です。
天童市のはえぬき
選んだのは天童市の寄付額一万円ではえぬき15㎏。嫌らしい話ですが、15㎏で寄付額の半額5000円と考えれば値段的にも妥当です。
2015年の9月13日にふるさとチョイスとYahoo!公金支払いを経由して寄附をしました。9月の末に天童市から寄附の証明書が届き、お米自体は9月下旬からの発送と言う事で10月11日に届きました。
味は、お世辞抜きでとても美味しいです。寒いところのお米は美味しいとは聞いていましたが、これ程とは。お蔭で食べ過ぎです…
貧乏人ですので、あまり寄附は出来ませんが、上限いっぱいまでやってみようと思います。
都城市の牛・豚肉
11月21日の土曜日、たまたま仕事が休みだったので都城市のふるさと納税に応募してみました。
高還元率で人気の都城市宮崎牛はいつも売り切れ?で、土曜日に追加されることが多い様です。追加される日は、ふるさとチョイスの都城市のページで通知があります。
結果は、A4等級宮崎牛1.5キロ切り落としとクィーンハーブポーク彩色〔いろいろ〕セット2.7キロを頼むことが出来ました。宮崎牛切り落としの方は始まって数分で売り切れていました。
頼みたければ、土曜日にパソコンの前にかじりついて頼むしか無いようです。ふるさとチョイスで手続きが済むと確定する〔公金支払いが終わった段階では無い〕ようですので、パソコンが古くともチャンスはあります。
牛肉切り落としをしゃぶしゃぶにして食べてみましたがとても美味しい。見栄えは良くないですが、家で食べる分には切り落としで十分でした。
追記
2016年は都城の豚肉・スッポン・養殖ブリ一尾を頂きました。
2017年も例年通りふるさと納税をしようと思っていたところ、総務省が「返礼品は寄付額の30%」と通達したとのこと。まあ、ピーチのポイントはやり過ぎだと思っていましたし、縁は無いですが高級家電も如何なものかとも思っていました。ですが、理由も努力も関係無く一律30%とは。
通達にある「寄附とは善意・見返りなし」はその通りです。でも、それで上手く行かないので知恵を絞ってこうなっているわけでしょう。人口を地方から吸い上げている都会からの寄付金を使い、地方産業を活性化させる、補助金ばらまきよりも遙かに良いシステムだと思っていただけに残念です。
もっとも通達を書いている省庁のお役人の方々は、良い暮らしをし過ぎて見返りなど求めないんでしょうね。私のような貧乏人と解り合えないのは寧ろ当然、実に羨ましい限りであやかりたいです。
まあ「補助金で大学を脅しつけ、忖度させて天下り」で引責辞任した文科省前事務次官が「首相に忖度させられた」と、英雄気取りで騒いでいる昨今です。省は違えど自分たちこそがこの国を動かしていると自任し、天下り、経済的に恵まれたお役人方には、恥を含めた「普通の感覚」が無いのは仕方無いのでしょうね。
と言うわけで、今年は年末では無く「30%に切り替わる6月末」を前に都城市に納税しました。
黒豚肉切り落とし4キロと和牛ウデモモ切り落とし1.5キロです。