高校世界史の「゠」と「・」
高校世界史を勉強しはじめて、生徒さんが疑問をもつのが「゠」と「・」の使い分けです。
特にテストの時、どちらで書けばいいのか悩んで質問に来たりします。
教師も「教科書に書いてあるから」と取り立てて説明しませんので、なかには大学受験の時慌てる子も。
なのでここでは、最初に「゠」と「・」の役割について確認しておくことにします。
「゠」と「・」とは
「゠」は本来ならば二重ハイフン、パソコンで扱うときは半角文字です。
「・」は中点です。こちらは半角全角両方とも用いるようです。
ただ「゠」は、数学の「=」〔等号〕と同じ形ですし、通常使うAtokなどの変換では容易に呼び出せません。
そのうえ対応する文字フォントが必要です。
なので私もなるべく半角イコールで代用するようにしていますが、時々全角等号のままプリントしてしまっているのもあります。
一般でも、半角全角等号両方が代用されている場合も多いです。
ここでも以降は「半角等号」で代用します。
更にペンで記入するのであれば、二重ハイフンも等号も、半角も全角も関係有りませんし、選択肢を選ぶ場合もそうでしょう。
よって「=」と「・」の使い方の違いを考えていきましょう。
結局
ハンとカンの違いは、モンゴル語中世音「Khan」の音が変化して「han」音となったそうです。
昔、横綱朝青龍が「ハラホリンのドリームランド?にいる」とニュース流れましたが、あれが中世音ではカラコルムです。
綴りと正式発音を知らないので、便宜的に日本読みをローマ字書きしてみると
「HaRaHoRin」と「KhaRaKhoRuMu」ですから、まあ間違い無いでしょう。
最近、一般には「チンギス・カン」の方が通りは良いですね。
まあ、それはここでは置いといて・・・
同社が出している辞書を見れば、一般的には「一つの名前の並列は「・」で区切る」事がわかります。
「敢えて教科書では「=」を使用している」ことは明白です。
一般の例で言うと「=」は
Charles Louis-Napoléon Bonaparte
のような、LouisとNapoléonは一語ですよと連結してある「–〔ハイフン〕」の代わりに用いられ
シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト
と書き表します。
それでは、なぜ教科書では「・」ではなくて「=」なのか。
ここからは類推ですが「一つか並列かが解りにくいから」ではないかと思います。
シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルトでは「一人の名前なのか、シャルルとルイ=ナポレオンとボナパルトの三人の名前なのか、初学者が間違えるかもしれない」からでしょう。
なので、敢えて複合語を表す二重ハイフンもしくは半角等号で繋いで「シャルル=ルイ=ナポレオン=ボナパルト」と表記しているのだと思います。
まあ厳密な翻訳の規則も無いようなので。
不親切なのは教科書にこの説明が全く無いことですね・・・
無論テストの際にはどちらを書いても構いませんし、空白を空けて書くのもありでしょう。
「ウマイヤ=モスク」「クトゥブ=ミナール」なら「ウマイヤモスク」「クトゥブミナール」でも可だと思います。
これでバツはありえません。