マーク式の解き方の一例として-関大2015年2月3日大問1

質問いただきましたので

今年度は某所で、過去問解説をあまりやりませんでした。

質問はちょうど良い機会ですので、解き方の例を挙げておきます。

関大2015年2月3日大問1の(9)

「( 8 )はキケロや( 9 )の著作などラテン語古典の研究を進め,優れた抒情詩をつくり桂冠をあたえられた詩人で聖職者」

桂冠詩人といえば有名どころではイギリスのテニスンかなどと思ってしまいますが、ルネサンスに関する問なので「抒情詩」からペトラルカしか入りませんし、記述でテニスンが出題されたならば明らかに難問で、解けなくても全然問題ありません。

死体の中では死体は目立ちません。ほぼ全員が間違う問題は安心して間違えていいのです。

質問は続く( 9 )で、一見すると非常に難問です。

某教○社赤本の解説は

難問。ペトラルカはアウグスティヌスとの架空の対話形式で『我が秘密』を著している。リード文からペトラルカが聖職者であることとラテン語古典の研究者であることがわかるので、古代最大の教父であるアウグスティヌスを導きたい。

この解説は無理があります。

そもそも古典のラテン語とは、所謂黄金期・白銀期の前1世紀から紀元後2世紀のラテン語を指す言葉です。

キケロはまさに古典ですが、アウグスティヌスはそうではありません。

ここでの古典とは「古い」だけの意味で、ペトラルカ以前のラテン語文なら全て含まれてしまいます。

 

さらにリード文の聖職者で括ろうにも、キケロ自体が前1世紀のローマ政治家・かつ文筆家ですので、聖職者でも詩人でもありません。

この理解の仕方はメチャぶりです^^;

解き方の一つとして

マーク式の出題は「選択肢も出題のうち」という意識を必ず持ってください。

今回は掟破り?ですが、そのまま貼り付けます。

だって面倒くさいもん・・・

( 9 )は間違い無く人名ですので、選択肢の人名に赤丸を付けてみました。

ここで考えるべきは(カ)タレス(キ)ヒッポクラテス(ケ)アウグスティヌス以外は全員ルネサンスの人物であることです。

ルネサンスでまず最初に登場するのはダンテ=アリギエーリ、その子世代としてペトラルカ、その弟子ボッカチオ、彼をリスペクトし『デカメロン』式の『カンタベリ物語』を著したイギリスのチョーサーと続きます。

よって、ペトラルカが研究しようと思えば、ルネサンス期ではダンテ以外ありえませんから、選択肢のルネサンス期の人物は全員外して可です。

その上、ルネサンス期の選択肢はほぼ画家で、その他と言えば建築家のブルネレスキや天文学で著名なコペルニクス、ラテン語古典とはほど遠くはないですか。

 

実質(カ)タレス・(キ)ヒッポクラテス・(ケ)アウグスティヌスからの選択で、ラテン語の影響がなかったソロンと同時代の哲学者ミレトスのタレス、紀元前5世紀のギリシアの医師ヒポクラテスはラテン語で文章を書く機会は無かったでしょう。

 

実質的に選択肢は、ゲルマン人の移動期に北アフリカの聖職者であり『神の国』を著したアウグスティヌスしか選択できないわけです。

考え方として

確かに高校世界史の学習内容を逸脱する出題が無いわけではありませんが、ほとんどの入試では学習内容で合格者平均点以上には到達できます

これは文科省から「高校の学習の邪魔を入試がしてはならない」とお達しがありまして、基本各大学は補助金で文科省に首根っこ掴まれてますのでほぼほぼ遵守してくると思って間違いありません。

文科省の天下り問題ありましたよね、いかにお達しが強力か解るはずです。

 

まあ攻撃側は好きに攻撃地点を選べます。

この場合の攻撃側は出題側ですね。

時にはとんでもない攻撃、つまり出題もあるでしょう、いや実際に多々ありますが^^;

その時は安心して間違えてください、周りもほとんど解けてません。

 

全てに備える心意気で詳しく勉強する、とても素晴らしいことだと思います。

 

ですが、それも時と場合によります。

 

普段はそう学習してください、応援します。

ですが、入試に対しては効率の良い解き方も模索してください。

それが対策というものです。

 

深く理解してくれるのも目的の一つではありますが、勝つこともまた目的なのですよ。

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