赤鉛筆で採点すること

採点

主に学校非常勤の仕事をしていると、必ずしなければならないのが年に5回のテスト作成と採点である。

テスト作成は「どこで引っかけてやろうか」などと言う、極めてサディスティックな楽しみ方もできるが、採点は単純作業で実につまらない。

だが、今日はつまらない愚痴を書きたいわけでは無い。

採点の仕方に関してである。

20年近く前には

私がこの仕事を始めた20年近く前には親切な先輩、言葉悪く言えばお節介なじいさんが沢山居た。

「訂正印は必ず買いなさい」やら「毎日身なりはきちっとしなさい」やら、元来がアマノジャクな私にとって当時はそうありがたい話でも無かったが、色々忠告をしてくれたものだ。

その数多い忠告の中で「採点は赤えんぴつでしなさい」があったように記憶している。

「何故ですか」と問うと、じいさんは厳かに答えた。

「生徒が答案返却後に、もし間違いを書き直しても、消しゴムを使えば赤線が薄くなって解るからだ」

ああ、これにはなるほどと納得した。

それから非常勤の職場を変えても「書き直し防止の為に」と赤えんぴつで念入りにバツをつけていた年配の方のいらっしゃったし、油性のダーマトグラフが採点用として準備されている職場もあった。

この仕事は

大学を出て教師になってしまえば、ほぼ一人前として扱われトレーニングを受ける機会もほとんど無い。

公立私学を問わず専任が受ける研修やら更新講習の内容を聞いても「生徒扱いについて」ばかりで、即座に役立つ内容だとも思えない。

今考えるとそれを補っていたのが、あのじいさん達なのだなと思う。

今でも採点をしていると、時々あのお節介なじいさん達を時々思い出す。

授業のやり方に関しては誰からも教えてもらった記憶は無いが、この仕事に関してはあの時に聞いたことが土台になっているのかも知れないな、と思う。

それに比べて、今は何というか、世代間の断絶が酷く進んでいる気もする。

Updated: 2017年7月24日 — 12:37 AM

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